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nobuyoshikobori

『とある日、FEELにて。』


「このやちむん、いいですね。」

そろそろ店仕舞いの時間かな、と思っていた頃に入っていらしたお客様。あちらこちらに置かれた登川さんのうつわを眺め手に取りそう仰り。


「昔、もやいさんで買ったものに、この感じが似ていて。」

と一枚の平皿を手に取り、模様をなぞりながら。


沖縄が好きで読谷にも行きました、と話すその方と、登川さんが北窯で修行していたこと、今年始めにからや窯に伺った時のことなど、色々と。 


「あれを見せて頂けますか。」

とショウウィンドウ的場所に置かれた七寸皿を指差すお客様へ、そのうつわを取りお渡しして。

受け取り微笑みながら、うんうん頷くお客様の横顔が、とても嬉しく。


「この青が気になり、入ってみたんです。いいですね、この大きさも使いやすいんですよね。これ、頂きます。」

うつわを包みお渡しし、何度も振り返ってくださるお客様を見送り、またじんわり嬉しく。


そして、店仕舞いをしながら、薄明の空を眺め、登川さんの穏やかな笑顔とからや窯の空気想い出し。またお会いしたいなと。


お客様が、もやい工藝さんで買ったと仰っていたうつわは、登川さんの親方のものだったやもしれないな、と。





『とある日、FEELにて。』より


FEEL

5.03.2023

OPEN 12:00〜18:00


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